アメリカ社会の光と影のまばゆいばかりの落差がビシビシ伝わり、社会的弱者の儚い希望と必死の努力が痛々しい。ビッグサクセスの裏で多くの所謂「敗残者」が生まれるこの社会が果たして「夢のある、アメリカンドリームをつかむチャンスが平等にある」社会なのか疑問を感じざるを得ない。
映画のようなエンディングおすすめ度
★★★★★
スパイク・リーが出て来た当時、話題になったドキュメンタリー・フィルム「HOOP DREAMS」の原作かと思ったんだけど、違った。
映画「FINDING FORESTER(小説家を見つけたら)」を見たばかり。これは小説家を目指す高校生の話で同じくNYが舞台。バスケ・シーンもふんだんだったので、状況が把握しやすい。
連想ゲームで「コニー・アイランド?」と壇ふみから聞かれたら、「遊園地!」と答えそうなところだけど、正解は「ゲットー」。麻薬デューラー、売春婦、ホームレス、銃声が聞こえる街つーか、公営団地。多くのギャングスタ映画で見たことある風景のはずだったけど、そういうシーンではたいてい大音量でRAPがかかって、スタイリッシュに描かれリアリティがかき消されているんだよね。この本では貧困の詳細が描かれている。現代のアメリカで、暖を取るために、コンロにレンガを置いてる家がなんてあるなんて驚き。
無論、こんな生活に甘んじてようとは誰も思わない。ここを脱出しようと高校生本人、取り巻く親、コーチがバスケット・ボールに望みをかける。奨学金を得て大学進学、その先にはNBAが見える。プロ入りは無理でも卒業出来れば、輝かしい社会人生活がある。
才能がある子の場合、中学生の時からスカウトが始まるという。ナイキ、スカウト(高校、大学、フリー)、NCAA等の裏利権が興味深い。お金の授受はなくても、親に仕事を紹介したり、シューズの提供をしたり。ちょうど、巨人オーナーの辞任が騒がれていた折、どこの世界も同じ。
ただ、バスケット・ボールだけやっていればいいと言う訳ではない。まずは、SATで一定のスコアを取らないといけない。勉強も。どのシュートも確実に決め続けていかないと、コニー・アイランドからの脱出は不可能なの。まだ18歳なのに、こんなプレッシャーに戦い続けるなんて。卓球の愛ちゃんってすごいんだなー、と今更ながら感心。
苦労話だけじゃないよ。高校生達がそれぞれに可愛い!自分の姿を鏡に映しては「オレ、決まってるよな」とうっとりしたり、女の子に声かける前はドキドキしたり。COLOR ME BADDにFRESH PRINCE、彼らが聞いてる曲に懐かしくって、線香あげたくなる。
ラストは映画みたい。サクセスした子もいる。
アメリカン・ドリームに興奮すると同時に、これが映画だったらいいのにと願うほど、心が締め付けられる思いになった子もいる。
是非、高校生に読んでもらいたいな。
現役のプレイヤーもいるなんてびっくりです。おすすめ度
★★★★★
バスケットに興味を持っていても、NBAを目指す若者の葛藤を知るチャンスは中々ありませんでした。そういう本はありませんし・・・。アメリカに留学している友人からの勧めで原作は聞いていましたが、翻訳されたとのことで、すぐに購入しました。
ステフォン・マーベリー(現役の選手でオリンピック代表)も登場人物の一人だと知ってびっくりしました。アテネ五輪も、彼の苦労や葛藤を知って見るともっと感動できるかもしれません。
良い出来でした
おすすめ度 ★★★★★
全般的に言うと初心者向けだと思います
。これだけは手に入れようと思い購入を決めました。
ホント満点を付けても良い出来です。