思ったより良かったおすすめ度
★★★★☆
不倫モノは、基本的に嫌いな私ですが、「愛の流刑地」は思ったより良かったです。
恐らく、寺島しのぶさんが元々持つ品だとか、トヨエツの持つ魅力によるものだと
思いますが。 でももう少し、二人が精神的に惹かれていく様子が描かれていれば
よかったと思う。 あれでは、何だか寺島しのぶが 単純に性に溺れていく不幸な
人妻っていう感じがする。
長谷川京子の演技はどうにかならなかったものか。 あの映画で妙に一人だけ
浮いてしまっていたし、無理やり露出度の高い衣装で見苦しかった。
豊川悦司の静かなる熱情おすすめ度
★★★★★
豊川さんの演技に尽きる。
原作者は好きではないが,表現者たる豊川さんの役どころが「何もかもが間違っている」と,表現し尽くせぬ思いを吐露するところは圧巻。
回顧シーンが進むにつれ,寺島さんが美しくなってゆく。
所々ふと冷めてしまったのは,検事を演じる長谷川さんの演技。全体の雰囲気に全くそぐわない。主人公の人生に自己を投影し,葛藤し,同じように苦しむ女性検事でもよかった。彼女だけがこの映画の反省点ではないか。
理屈はともかく,今,破滅する男を演じさせたら豊川さんの右に出る俳優はいまい。全体の統一された空気感に星5つ。
細部まで妥協なし
おすすめ度 ★★★★★
とても面白いじゃないですか
。値段の割には上出来。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。
概要
渡辺淳一の同名ベストセラー小説を原作に男女の愛の深層心理を官能的につづったラブストーリーの問題作。情事の果てに女(寺島しのぶ)から「殺して」と言われてその首を絞めた男(豊川悦司)。警察もマスコミも彼を責め立てる中、後半は裁判劇となり、誰にも理解できない2人だけの愛の関係性が観る者に訴えかけてくる。監督はTVドラマ界のベテラン・ディレクター鶴橋康夫で、これが初の映画演出となったが、さすがに最近の若手とは面子の数が違うというか、手練手管の映像演出と、初の映画ということでのみずみずしさが巧みに同居している。また事件を扱うマスコミの描写などから、鶴橋監督ならではの社会性もチラホラ見え隠れする。まさに公開時、そのマスコミがおもしろおかしく騒ぎ立てた官能シーンなどよりも、男女の心理そのものこそが深く心に染み入り、鑑賞後も深く尾を弾く作品に仕上がっている。ただし全体の音楽に関してはもっと深く熟考すべきであった。(増當竜也)