岡田惠和ワールド・・・初のラブストーリーおすすめ度
★★★★★
「ちゅらさん」「彼女たちの時代」「夢のカリフォルニア」「ビーチボーイズ」「恋セヨ乙女」「天気予報の恋人」などの脚本で知られる岡田惠和さんが脚本家になって15年目に初めて描いたラブストーリー。
「僕だけのマドンナ...and I Love Her.」
STORY
大学生の鈴木恭一(滝沢秀明)はプライバシーのかけらもない家に嫌気が差し、とうとう一人暮らしを始めた。しかし、アパートの隣人達(小堺一樹、真矢みき、鴨田久作)の詮索もあり、望みどおりのプライバシーのある生活は過ごせない。ようやく出来たと思われた彼女、今村景子(島谷ひとみ)からは「中身がない」と一度きりのデートだけでフラれてしまう。
そんなある日、恭一が帰宅すると、自分のベッドで見知らぬ女が寝ていた。一度外に出て、もう一度部屋に入るとその女の姿はなかった。もしかして、幻覚?と思った恭一が夜食を食べようとすると、帰りがけに寄ったコンビニで買った冷やし中華がなくなっていた。その頃、近くの公園では片岡するみ(長谷川京子)がおいしそうに冷や!し中華を食べていた。
そして、恭一はとうとうするみと出逢う。するみは向かいのマンションに住む男、本田義孝(緒方直人)を見張っているという。するみは恭一の生活にすでに入っていた。するみに振り回されながらも、それが少しうれしい恭一。しかし、するみはある日を境に来なくなってしまった。元の生活のサイクルに戻ったはずの恭一だが、するみがいなくなった穴は大きかった。するみはもう来ないのだろうか。しかし、するみはいつもと同じように現れ、恭一を振り回し始めた。するみのコケティッシュなかわいさに惹かれていく恭一。
そんな2人のラブストーリーの中には岡田惠和ワールドのセリフがたくさん散りばめられています。
出来は非常に良いです。
おすすめ度 ★★★★★
出来は非常に良いです。このアレンジが秀逸の一品から感じたことは、素晴らしい才能の奥深さ、ということです。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。
概要
地味で平凡な大学生とそんな彼を翻弄する年上の女との奇妙な関係を描いたほんわかテイストのラブストーリー。大学の建築学科に通う恭一(滝沢秀明)は、実家を出て念願の1人暮らしをはじめるのだったが、悪ぶれることなく勝手に部屋に忍び込んでくる素性のわからない女性(長谷川京子)に言いくるめられて、向かいのマンションに住んでいる彼女の元恋人(緒形直人)を時間交代制で監視する羽目になってしまう。
『ちゅらさん』と『アンティーク』を足して2で割ったような感じの岡田惠和脚本作。だったら面白くならないはずがないわけなのだが……。アパートの住人は『ちゅらさん』に比べると質量ともに魅力に乏しいし、ずらしたおかしみも『アンティーク』ほどにははじけてくれない。そのかっこよさを押し殺して、とほほキャラに徹する滝沢秀明と、極端にのんびりめのファムファタルを演じる長谷川京子の組み合わせは、2人のファンにとってはたまらないところだろう。(麻生結一)