第1部に比べると・・・おすすめ度
★★★☆☆
第1部のテーマが「あつよしが勇気を出すことで自分の殻を打ち破って成長する」だったのに対し、今回のテーマは「大切な人との別れを経てあつよしが成長する」なのですが、これとは別に「高度経済成長による地方の崩壊」も描かれています。この二つの大きなテーマを一つの作品で描こうとしたため、第1部より字が細かくなり、ページ数が増えたとはいえ、どうしても詰め込みすぎで消化不良という印象が残ります。そのせいかエピソードの羅列になってしまった感があり、感動度もややダウンというところでしょうか。感動的なエピソードはたくさんあるんですけれどね・・・。本来、この第2部は2作品に分けても良いくらいの内容を含んでいるように感じます。ところで今回の印象的なセリフは姉との別れの場面での母の言葉ですね。「朝子だって仲直りしたいのに、お前が身構えて近づかんから・・・」。わかるわかるその気持ち。大人でもそういうことあるものなぁ。以上、やや批判的なことを書きましたが、他のくだらない小説に比べれば格段に面白く、感動できます。僕自身、ちょっと期待しすぎて評価が厳しくなったという部分も・・・・。
追伸、自然の美しさの描写や、生き生きとした釣りの場面の描写(今回は何といっても火ぶり漁ですね)のすばらしさは、あいかわらず冴えに冴えてますのでご安心を。
生きるということおすすめ度
★★★★★
第1部を久しぶりに読んだついでに第2部も読むことにしました。第1部で小学3年生だった少年が4年生になっており、考え方もかなり成長しています。子供の世界と大人の世界の狭間で悩んで成長していく少年の心の内が繊細に書かれています。よく、ここまで少年の気持ちが書けるものです。私自身、少年の頃に思い考えていたことを、ここまで書くことは不可能です。著者はどうやって少年の目線で書いたのでしょうか。驚きです。
話は少年を中心に進んでいきますが、この少年は映画でいう助演男優で主役は四万十川を中心とした大自然です。四季折々の自然の状態が詳しく、表現豊かに書かれており、いつの間にか自分がその場所に立っていました。ただ、この厳しい自然の中で生活していけるかどうかは自身がありません。不景気だとか、仕事が無いとか、先が見えないとか言っている場合では無いのです。生きるということは何かを教えてもらいました。
第1部同様、読み返して良かったと思いました。
出来は非常に良いです。
おすすめ度 ★★★★★
大変良く出来ています
。ファンなら買って間違いなく損のない品ですね。
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!