この映画に出てくるマリアは後の西洋絵画に出てくるような理想的な女性ではなく、当時のユダヤの普通の娘。誠実で働き者のヨセフに見初められたが、最初はヨセフのことをあまり好きではなかったようだ。当時のユダヤの風習で女性の貞操を確かめるため婚約後、一定期間様子をみてから結婚することになっていたが、その婚約期間中にマリアの妊娠が発覚。それだけで姦通の女として石打ちの刑になってもおかしくないのだが、なぜかヨセフはマリアをかばい、自分の子でない子供の出産を認める。キリスト教はその始まりから女性には優しい宗教だったようだ。その後、村人に白眼視されながら、お告げによって故郷を離れる。ヨセフはマリアを守りながら旅に出る。ヨセフのたくましさ、誠実さに次第にマリアも魅かれて行く。こうしてよく考えてみるとヨセフの誠実さがなければイエスはこの世に存在しなかったことがわかるだろう。出産のシーンはあまりリアリティがなく、すっぽんと生まれたような感じがしていかがなものか。天使がいかにも中東の男のようにひげもじゃなのにがっくりしたのでマイナス1点。
至高の愛おすすめ度
★★★★★
夫であるヨセフと婚約中にマリアは神のみ使いから、聖霊によって神のみ子を宿すと。
当時のユダヤでは婚約中に身ごもる事は出来ませんし婚約者ではない人の子を身ごもる
事は石打の刑に値する決まりがありました。ヨセフの告発があれば直ちに実行されるの
です。ヨセフはマリアを愛するが故に受け入れようとします。でも心痛は察するに余り
あり、友人から石を持たされ、最初に投げるようにとの夢を見ました。その時、み使い
が夢に現われ精霊による神のみ子なので、恐れなくて良いと。人口調査の為にヨセフは
故郷ベツレヘムにナザレから200kの道程をマリアをロバに乗せて行く事になりました。
身重のマリアには大変な旅でしたが、ヨセフの献身的な愛によって、無事ベツレヘムに
着き、家畜小屋の飼い葉おけの中に幼子を寝かせることが出来ました。
幼子イエスを最初に抱き上げたのはヨセフでした。この神秘的な生命の誕生を心から、
喜んでいるヨセフの映像は命の尊さを内奥に伝えてくれます。
生みの親のマリア、育ての親のヨセフ、「愛の教えを説いたイエス」にふさわしい両親
と言えます。至高の愛を知る素晴らしいDVDで心から感動しました。
宗教的魂を持った映画おすすめ度
★★★★★
新約聖書「マタイによる福音書」には「ヘロデ大王が、新たな王(救世主)の出現を恐れ、2才以下の幼児を皆殺しにした」旨記されている。映画はナザレから逃避し、ベツレヘムで出産するヨセフとマリアの夫婦愛を描いて見事だ。ヘロデ大王は紀元前37年にローマが容認するユダヤ王となっている。歴史的には紀元前4年に死去しているが、旧王朝の血を引く者や家族までも抹殺した。この恐怖や世間の目とは超絶して、夫婦は信じ合い、生活感は和やかで、東方の3博士の描き方も好感が持てる。画面は美しく、陰影の美があり、史劇にふさわしい品性を持って語る。人間ドラマだがピュアな宗教的魂を持った映画だ。
すばらしい
おすすめ度 ★★★★★
言うまでもなく最高峰
!いや~、ほんと(・∀・)イイ!久々に良い買いモンをしました。
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。